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6857アドバンテスト¥8,120▲4.32%
8306三菱UFJ FG¥1,520▲1.34%
4519中外製薬¥7,340▲0.95%
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#リサイクル #サーキュラーエコノミー #廃棄物処理

廃棄物・リサイクル関連株の逆張り投資チャンス|サーキュラーエコノミーへの移行で化ける企業

廃棄物・リサイクル関連株の逆張り投資チャンス|サーキュラーエコノミーへの移行で化ける企業
許認可という参入障壁が、この業界の収益を守っている。

「廃棄物処理」と聞いて、投資対象として真っ先に思い浮かべる人は少ないと思います。私も長いあいだそうでした。 ところが決算資料を並べて読むうちに、この業界には製造業ではまず見られない種類の参入障壁があることに気づきました。 技術でも特許でもブランドでもなく、行政の許可です。 この記事では、なぜこの地味な業界が構造的に強いのか、そしてなぜそれでも市場から評価されにくいのかを、両方書きます。

この業界の強さは、技術ではなく「許可」にある

産業廃棄物の処理は、廃棄物処理法にもとづく許可事業です。 しかもひとつの許可ですべてができるわけではありません。収集運搬業と処分業は別の許可で、 さらに都道府県・政令市の単位で取得する必要があります。有効期間は原則5年、優良認定を受けても7年で、取り扱える廃棄物の種類も許可ごとに限定されます。

施設をつくるとなると、難易度がもう一段上がります。焼却炉や埋立地の設置には施設設置許可が必要で、 生活環境影響調査(いわゆるミニアセス)を実施し、申請書を縦覧して住民の意見書を受け付ける手続きを踏みます。 制度上の要件はここまでですが、実務では地元自治会の同意が事実上の前提になります。 用地取得から稼働まで、順調でも数年、こじれれば十年以上かかることがある。

私がこの業界を面白いと思うのは、ここです。半導体工場や物流倉庫は、資金さえあれば数年で建ちます。 しかし廃棄物処理施設は、資金では「時間」と「地元の合意」を買えない。だから新規参入がほとんど起きません。 しかも廃棄物は運ぶほど輸送費がかさむため、商圏が物理的な距離で切られます。 結果として、既存事業者は地域ごとの準独占に近い位置を確保している。セメントや生コンと似た構造です。

最終処分場の残余年数という、動かしがたい制約

この業界の需給を規定しているのは、最終処分場(埋立地)の残りの容量です。数字で確認します。

環境省の集計では、産業廃棄物の年間排出量は約3億7,000万トン前後で、20年近くほぼ横ばいです。 このうち再生利用が5割強、脱水や焼却による減量化が4割強で、実際に埋め立てられるのは数%程度にすぎません。 つまり業界は、すでにかなりの水準まで埋立量を絞り込んできました。

それでも残余容量は減り続けています。全国平均の残余年数は産業廃棄物で20年前後、一般廃棄物で20年台前半という水準が公表されています。 平均値だけ見ると余裕があるように見えますが、問題は地域差です。 首都圏のように排出量が多く用地のない地域では、残余年数がこれよりはるかに短いとされ、県外へ長距離輸送しているのが実態です。

一方で、新規の最終処分場はほとんど増えません。地元の合意形成が難しいためです。 供給が増えない市場で、需要が横ばい。この組み合わせは、処理単価が下がりにくいことを意味します。 分かりやすい実例が廃プラスチックで、2017年末に中国が輸入を事実上禁止して以降、行き場を失った分が国内に滞留し、処理単価が上昇しました。

数字で見ると、どれくらいディフェンシブなのか

ただし「廃棄物処理業」とひと括りにするのは危険です。同じ業界の中でも、区分によって収益性も景気感応度もまったく違います。 公表資料と業界統計から、私なりに整理したのが次の表です。

廃棄物・リサイクル事業の区分別の性格(各社公表資料・環境省統計をもとに筆者整理)
事業区分参入のハードル営業利益率の目安単価の方向感(直近5年)景気変動の影響設備投資の重さ
収集運搬 収集運搬業許可(相対的に取得しやすい) 5〜8% 上昇(人件費・燃料の転嫁) 軽(車両が中心)
中間処理(焼却・破砕・選別) 処分業許可+施設設置許可 10〜15% 上昇 重(炉1基で数十億円規模)
最終処分(管理型埋立) 施設設置許可+地元合意。新規開設は事実上困難 20%前後 上昇(残余容量の逼迫) 極めて重(造成期に集中)
金属・資源リサイクル 許可に加え、集荷網と販売先の商流 3〜8% 下落局面あり(資源相場に連動)
(参考)製造業の平均 4〜6%

表で押さえてほしいのは2点です。ひとつは、最終処分を自前で持っている会社の利益率が突出して高いこと。 埋立地は使えば減っていく消耗資産ですが、代わりが手に入らないため、価格交渉力がそのまま利益率に出ます。

もうひとつは、金属・資源リサイクルはディフェンシブではないということです。 鉄スクラップや非鉄の相場に業績が直結するため、性格としてはむしろシクリカル(景気循環株)です。 「リサイクル関連」という言葉でこの2つを同じ箱に入れると、想定と正反対の値動きをする銘柄を掴むことになります。

なお、業界全体が景気に完全に鈍感なわけでもありません。産業廃棄物の排出量は建設と製造業の稼働に連動するため、不況期には数量が落ちます。落ちにくいのは家庭から出る一般廃棄物のほうです。

では、なぜ市場はこの業界を評価しないのか

ここまで読むと「そんなに強いならなぜ安いのか」と思うはずです。逆張りと題した以上、この問いには答えます。理由は4つあると考えています。

  • 成長率が高くない。排出量が横ばいなら業界のパイは増えません。売上を伸ばす手段は、単価の上昇か、同業のM&Aか、処理領域の拡大しかない。年率数%の世界です。
  • 時価総額が小さく、アナリストのカバーが薄い。証券会社のレポートがほとんど出ないため、業績が良くても認知されるまでに時間がかかります。
  • 開示が薄い。これが私にとって最大の障害でした。上場していてもセグメント開示が粗く、処理数量(トン)と処理単価を分解できる会社は多くありません。オーナー系でIRに積極的でない企業も目立ちます。
  • 語れるストーリーがない。「1年で売上が倍になる」物語がないので、テーマ買いの資金が入ってきません。地味であることそのものが評価の壁になっています。

私の見立てでは、この4つのうち本物の弱点は最初のひとつだけです。 残りの3つは、企業価値の問題ではなく「調べる人が少ない」という問題です。 逆に言えば、成長率の低さを受け入れられる投資家にとっては、手間をかけた分だけ情報の差がつきやすい領域だということになります。

弱点は正直に並べておく

良い話だけを書くつもりはありません。私がこの業界で怖いと思っているのは次の4点です。

第一に設備投資の重さです。焼却炉は1基で数十億円、大型なら100億円規模、最終処分場は造成に長期間を要します。 減価償却が先に立ち上がるため、稼働率が上がるまではキャッシュフローが痛み、投資のタイミングを誤れば数年単位で利益が沈みます。

第二に評判リスクと事故リスクです。不法投棄、施設火災、有害物質の漏出。 これらは一度起きると行政処分の対象になり、最悪の場合は許可の取消や停止に至ります。 つまり参入障壁である許可は、同時に「失うと取り戻せない資産」でもある。 近年はリチウムイオン電池が可燃ごみに混入して処理施設で発火する事案が各地で増えており、現場の負担が明らかに重くなっています。

第三に人手不足と高齢化です。収集運搬はドライバーの確保が生命線で、2024年から適用された時間外労働の上限規制は人件費と稼働効率の両方に効いています。 処理現場の作業員も高齢化が進んでおり、賃上げを単価に転嫁できない事業者から先に苦しくなる構図です。

第四に、これは逆説的ですがサーキュラーエコノミーそのものが需要を減らすという点です。 資源循環が本当に徹底されれば、廃棄物として出てくる量は減ります。 処理だけで食べている会社にとって、脱炭素・資源循環は長期的には向かい風になり得る。ここを見落とすと、テーマと企業の利害を取り違えます。

チェックの順序:私は決算資料を開いたら、まず処理数量(トン)の推移を探します。 次に最終処分場の残余容量、そして許可の種類と数。 行政処分の履歴は都道府県が公表しているので、そこも見ます。売上高より先に、この4つです。

サーキュラーエコノミーで「化ける」のは、どの位置にいる会社か

では、この業界で構造変化の恩恵を受けるのはどこか。 私は、廃棄物を「処理してもらうコスト」ではなく「再生材という商品」として売れる位置にいるかどうかだと考えています。

制度はすでに動いています。EUの新電池規則は2031年から新品電池への再生材使用を義務づける方向で、コバルト16%、リチウム6%、ニッケル6%といった比率が示されています。 使用済み自動車をめぐる規則案でも再生プラスチックの使用義務が議論されており、 国内でも2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、設計から回収までを一体で求める枠組みに変わりました。

これが意味するのは、再生材が「安い代替品」から「調達しなければならない指定品」に変わるということです。 そうなると、品質を保証したうえで一定量を安定供給できる事業者に価格決定力が移ります。 集めて燃やすだけの会社と、選別・精製して素材として出荷できる会社とでは、同じ「リサイクル関連」でも数年後の姿がまったく違うはずです。

整理すると、私がこの業界に感じている魅力は「大化け」ではありません。 許認可に守られた市場で、単価がじりじり上がり、キャッシュフローが読みやすい。その代わり成長は遅く、事故が起きれば一発で毀損する。 短期のテーマ買いには最も向かない業界だと思います。急騰しないからこそ、時間をかけて調べる価値がある。私はそう捉えています。

次回は、この業界の開示資料から処理数量と単価をどう推計するか、実際の有価証券報告書を例に手順を書く予定です。 「この会社の資料はどう読むのか」という質問があれば、コメント欄に書いてください。

免責事項 本記事は筆者個人の投資経験と見解を共有するものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。 記載の運用成績は筆者個人の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。 本記事の情報は執筆時点のものです。投資判断はご自身の責任において行ってください。 当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録を受けていません。
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中村 彩花

中村 彩花

ESG・グリーン株を中心に取材と分析を行っています。元メーカー勤務。統合報告書と有価証券報告書を読み込むのが趣味です。数字の裏にある事業の実態を、できるだけ平易に書くことを心がけています。

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